監修:安達 昌功先生
(昭和大学医学部 小児科学講座)
子どもの成長には栄養、睡眠、運動に加えて、精神的要因も影響します。子どもは親からの愛情を敏感に感じ取ります。近年、育児放棄や虐待などが社会問題となっていますが、子どもはこれらに強いストレスを感じ、成長や情緒の発達に悪も影響をうけることが知られています。成長ホルモンの分泌が強く抑制されるため、身長の伸びにはとりわけ重大な影響が生じます。成長期の子どもにとって、精神的に安心できる環境は、とても重要です。
では、子どものすこやかな成長にとってよりよい環境とはどのようなものでしょうか?それは、親から愛されていると実感することです。一緒に遊んだり、話をしたりすることで、子どもは愛されていることを実感し、精神的に安定します。一日のうち短時間でもいいので、お子様とふれあう時間を意識するとよいでしょう。
子どものすこやかな成長には、慢性の病気がない、あっても良好な状態にコントロールされている、という必要があります。肥満またはアレルギー性鼻炎の影響で睡眠中のいびきがあると、質の良い睡眠が保てません。アトピー性皮膚炎や気管支喘息も、コントロール状態に問題がありますと、成長に悪影響を及ぼします。便秘や下痢が続いている、頭痛や腹痛をよく訴える、微熱が続くなど、気になる症状が持続する場合は、重大な病気がかくれていないかどうか、小児科で相談されるとよいでしょう。
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