患者さんの声(8)

興味のあることをいろいろと楽しんでいます

(けいたくん(仮名) 中学校3年生(15歳) とお母さん)
SGA性低身長症
主治医:荒木 まり子先生
高知大学医学部附属病院 小児科

掲載記事の内容は、1人の患者さん・ご家族の体験談であり、
すべての患者さんに同じ効果を示すわけではありません。

お子さんの成長ホルモン治療はいつからどのようなきっかけで始めましたか?

お母さん:先生から「平均的な身長にはなかなか追いつかないかもしれない」と伺い、親としてできる限りのことはしたいと、小学校2年生、7歳の頃に治療を始めました。
とても丁寧に治療についての説明をしてもらいましたので、不安はありませんでした。

治療を始めた頃のことを覚えていますか?

お母さん:治療を始めた頃は、注入器の準備から注射まで私が行っていました。けいたには内緒だったのですが、注入ボタンを押してから針を抜くまで6つ数える間に「1cmでも伸びますように」とおまじないをしていたのを覚えています。小学校5年生くらいからは少しずつ本人が注射するようになりました。

 

けいたくん:自分で注射を始めた頃は、抵抗があったようなないような…。でも、すぐに自分でできるようになりました。

成長を実感するようなエピソードはありますか?

お母さん:小学校では、けいたの身長でも届くようにと職員の方がトイレに台を作ってくださいましたが、いまでは身長のことで困るようなことはないですね。友だちとの身長差も気にならなくなりました。

運動や、体を動かすといった場面ではいかがでしょうか?

お母さん:小学校まで1.2kmくらいの距離を重いランドセルを背負って通うのはとても大変そうでした。中学生になってからは自転車で通うことができるようになりました。
小さかった頃は運動に関して先生から「無理をしないように」とアドバイスを受けていましたが、最近は、特に制限はなく、体育の授業を休むこともなくなりました。マラソンも、結果はともかく最後まであきらめずに走っています。行動範囲が広がり、「冒険」ができるようになりましたね。

 

けいたくん:自転車に乗って30分くらいの場所までは、あちこち出かけています。ぼくは興味をもったら、それにのめり込んでいくタイプです。中学校ではパソコン部の部長で、大学のキャンパスで開かれるITキャンプなどにも参加したことがあります。

治療を始めて8年間、お母さんから見て感じる変化はありますか?

お母さん:治療とは関係なく、徐々に自立が始まっています。治療に対しては、けいた自身が期待しているところもあって、昨年、将来の自分に宛てて書いた手紙には、170cmになっている自分が書かれていましたね。

注射を毎日続けるために、何か工夫はされていましたか?

お母さん:最初の頃は、注射記録のシールを使って管理していました。いまでは、本人が 毎晩寝る前に注射するのが習慣になっています。体重や食事を自己管理するようにもなり、日々の出来事や思ったことを手帳に記録しているようです。手帳をつけ始めたことで、自分の世界が広がっているみたいです。

これからチャレンジしてみたいことなどはありますか?

けいたくん:理科の実験や植物の観察が好きなので、高校では科学部に入ろうと思います。(射撃スポーツの1種である)ビームライフル部にも興味があります。将来の夢は、心を診るドクターかホテル経営です。

 

お母さん:ドクターになって、自分の経験をもとに、同じような気持ちの子のサポートができれば、という思いがあるようです。

読者のみなさんに一言お願いします

けいたくん:自分としては、大きな変化があったと感じています。

 

お母さん:成長ホルモン治療をしないという選択肢もありましたが、後悔はしたくありませんでした。いま、こうして結果が出ているので、続けてきてよかったと思います。

先生からのメッセージ

けいたくんはとてもがんばりやさんで、治療も長い間よくがんばっていますね。身体もこころもぐんと成長し、しっかりしたお兄さんになったなと思います。これからも、やりたいことに向かって進んでいってくださいね。

JP23GH00057

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